感染防止認証ゴールドステッカーの認証基準について - 大阪市で労使、飲食、M&Aに関する相談は「findaway法律事務所」へ

 

皆様こんにちは。HACCPコーディネーターの石田です。

 

侍ジャパンのメンバーがとうとう発表されましたね! 賛否あるようですが、個人的には青柳選手が登場するのを楽しみに待ちたいと思います。

 

長く続いた緊急事態宣言も6月21日以降はまん延防止等重点措置に切り替わりますね。飲食店への要請も今回は少し緩和されそうです。

 

飲食店で酒類を提供するためには、感染防止認証ゴールドステッカーの取得が必要です。

 

前回の記事(大阪府 感染防止認証ゴールドステッカーの概要について)では、ゴールドステッカーの役割は未定でしたが、大阪府より新たに上記条件が発表されました。

 

大阪府は「感染防止認証ゴールドステッカー認証基準」(以下「認証基準」といいます)を公表しました。

イラストや写真がふんだんに用いられていて非常にわかりやすいのですが、45ページもの分量があります。

 

今回は、感染防止認証ゴールドステッカーの認証基準(以下「認証基準」といいます)のポイントを端的にご案内していきたいと思います。

 

1 感染防止認証ゴールドステッカーとは

 

ゴールドステッカーは、大阪府が認証基準により審査を行ったうえで、交付されます。

 

認証基準は、大きく「来店者の感染症予防」、「従業員の感染症予防」、「施設・設備の衛生管理の徹底」、「基準の遵守等」の4つに分かれています。

緊急事態宣言下において既に導入されていることや、HACCPの一般的衛生管理で導入されている内容も多いと思います。

 

以下では、認証基準の具体的内容についてご説明していきます。

 

 

2 来店者の感染症予防

 

お客様の入店時、注文時、喫食時、支払時など場面に応じた対応が必要となります。

従業員の方が声掛けを行う場面が多くなると想定されることから、一利用者として声掛けされる前に行動できるよう意識したいと思いました。

既に取り入れておられるお店も多いと思いますが、改めて確認していきましょう。

 

(1)入店・注文・支払

 

【入店】

①手指消毒の呼びかけ

➡店内入口に消毒設備を設置していること。

➡入場時に必ず、従業員が来店者に手指消毒を実施するよう呼びかけていること。

 

②体調不良等の来店者への対応

➡発熱や軽度であっても風邪症状(せきやのどの痛みなど)、嘔吐・下痢等の症状がある者は入場しないよう掲示物により周知を行っていること。

 

③順番待ち等の対人距離の確保

➡足下誘導シールや注意喚起の案内表示を行うか従業員が誘導しているかいずれかの方法で実施している。

 

【注文】

⑤マスク会食の呼びかけ

➡従業員が来店者に食事中以外はマスクを着用することなど、マスク会食の徹底を呼び掛けていること。

こまめな手洗い・手指消毒を掲示物等で周知していること。

 

【支払】

④支払時の留意点

➡レジ設備にはアクリル板、透明ビニールカーテン、パーテーションで遮蔽していること。

➡コイントレイを介した代金の受け渡し、またはキャッシュレス決済を導入していること。

➡現金等の受け渡し前後には手指消毒を行っていること。

 

(2)食事・店内利用

 

⑥テーブル間の距離の確保

*カウンターテーブルも同様

➡テーブルの間は、相互に対人距離が最低1m以上確保できるよう配置すること。

➡テーブルの間は、アクリル板(目を覆う程度の高さ以上のものを目安)、透明ビニールカーテン、パーテーション等で遮蔽していること。

 

⑦同一テーブル間の距離の確保

➡テーブルの間は、相互に対人距離が最低1m以上確保できるよう配置すること。

➡テーブルの間は、アクリル板(目を覆う程度の高さ以上のものを目安)、透明ビニールカーテン、パーテーション等で遮蔽していること。

 

⑧滞在時間の制限

➡滞在時間の制限(2時間程を目安)を周知していること。

➡予約制を導入していること。

 

⑨料理提供時の留意点

➡料理は大皿を避け個々に提供する。

➡鍋料理や盛り合わせ料理などを提供する場合は、従業員等が取り分けること。

➡従業員等が取り分ける際は、使い捨て手袋を使用する、もしくは取り分け前後に手指消毒を行うこと

 

⑩ビュッフェスタイルに係る留意点

➡利用者が一回の料理取り分けごとに新たな小皿を使用するとともに、飛沫がかからないようにカバーを設置するなど食品・ドリンクを保護し、取り分け時はマスク、使い捨て手袋等の着用及び取り分け用のトングや箸を共有としないことを徹底している。

➡料理を小皿に盛って提供している

➡従業員が料理を取り分けている

 

⑪卓上の共用調味料の制限

➡卓上には共用調味料・ポット等を置いていない。

➡客の入れ替え時には消毒している

 

⑫食器の使い回しの注意喚起

➡お酌や回し飲み、スプーンや箸などの食器の共有や使い回しは避けるように、従業員による呼びかけまたは掲示物により周知している。

 

⑬大声での会話の注意喚起

店内BGMの音量を低減している。

➡大声での会話を避けるように注意喚起している。

 

⑭咳エチケットの徹底

➡咳エチケットを徹底するように従業員による呼びかけまたは掲示物により周知している。

 

⑮トイレの利用

➡トイレの蓋を閉めて汚物を流すよう掲示物等により周知していること。

➡トイレ使用後に手洗いや手指消毒を実施するよう掲示物等により周知していること。

 

⑯喫煙スペースの利用方法

➡一度に利用する人数を減らしていること。

➡3つの密を避けることや、会話を控えるよう注意喚起すること。

 

 

3 従業員の感染症予防

 

「従業員の感染症予防」の基準も多くのお店で実践されていることも多いと思います。

体調管理の報告をコロナ対策リーダーに報告するなどは新しい項目ではありますが、HACCPの一般的衛生管理の手法と同じですね。

 

⑰マスク着用等

➡業務中は常にマスクを着用し、咳エチケットを徹底するよう周知していること。

➡休憩中を含め、大声での会話を避けるよう周知していること。

 

⑱検温・体調確認

出勤前又は業務開始前に検温・体調確認を行い、店舗責任者やコロナ対策リーダーに報告していること。

➡発熱や、軽度であっても風邪症状(せきやのどの痛みなど)、嘔吐・下痢等の症状がある場合には、出勤を停止させること。

 

⑲PCR検査等の受診推奨

➡従業員に風邪症状のある場合には、「飲食店スマホ検査センター」等でPCR検査等の受診を推奨している。

 

⑳就業制限

➡感染した、もしくは感染疑いのある従業員、濃厚接触者として判断された従業員の就業を禁止していること。

 

㉑対人距離の確保

➡利用者からの注文の受付や料理提供にあたっては、利用者の正面に立たないなど、対人距離を確保している。

 

㉒従業員の手指消毒

➡定期的に手指消毒や手洗い等を実施することを従業員に周知していること。

➡就業開始時や他者の接触が多い場所・物品を触れた後、清掃後、トイレ使用後は、手指消毒や手洗い等を実施することを従業員に周知していること。

 

㉓休憩スペースの利用

➡休憩スペースや更衣室では、マスクを着用し、一度に休憩する人数を減らし、対面での食事や会話を避けるよう周知していること。

 

㉔従業員のユニフォームは毎日洗濯すること

 

 

4 施設・設備の衛生管理の徹底

 

「施設・設備の衛生管理」の基準では、大阪府飲食店等感染症対策備品設置支援金の支給要件に入っていた項目が多くなります。

 

㉕換気状況の把握

CO2センサーを常備している

➡各居室の中央で床から75cm~150cmの高さでCO2濃度を測定し、1,000ppm以下であるか確認していること。

 

㉖空気環境の基準(建築物衛生法の対象施設)

➡法に基づく定期検査結果で確認している。

➡各居室の中央で床から75cm~150cmの高さでCO2濃度を測定し、1,000ppm以下であるか確認していること。

*いずれかの方法で実施

 

㉗空気環境の基準(建築物衛生法の対象外施設) 

➡換気は30分に1回、5分程度、2方向の窓を全開している。

➡窓が1つしかない場合は、ドアを開けている。

➡各居室の中央で床から75cm~150cmの高さでCO2濃度を測定し、1,000ppm以下であるか確認していること。(営業中のみ)

➡換気設備により必要換気量(1人あたり毎時30㎡)を確保している。

 

㉘適度な加湿

➡湿度40%を目安として、適度に加湿している。

 

㉙タオルの衛生管理

➡トイレ等に共通で使用できるタオルを設置せず、エアータオルの使用を停止していること。

➡ペーパータオル等を設置しているか、個人のタオル等の使用を促していること。

 

㉚定期的な消毒

➡他人と共用する物品や複数の人の手が触れる場所を、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム、市販の界面活性剤含有の洗浄剤を用いて、利用者の入替時など定期的に清拭消毒すること。

 

㉛ゴミ回収、処理時の留意点

➡ゴミを回収する者はマスクや手袋を着用し、作業後、必ず手を洗うよう周知していること。

➡ゴミは、ビニール袋に密閉して処理していること。

 

 

5 基準の遵守等

 

「基準の遵守等」の基準ではチェックリストの作成や研修の実施が認証基準とされています。

HACCPを導入されているお店の皆様は併用できる点も多いのではないかと思います。

 

㉜チェックリスト

➡清掃、消毒、対人距離の確保など、具体的な手順(チェックリスト)を作成し、毎日、確認していること

 

㉝従業員の感染判明時

➡施設の従業員の感染が判明した場合、保健所の指示・調査等に誠実かつ積極的に対応・協力して、当該施設からの感染拡大防止策を講じるとともに、必要に応じて感染の可能性のあ

る営業日など感染拡大防止のために公表すること。

 

㉞従業員の研修

➡従業員に対し、感染疑いがある場合は検査結果が判明するまで出勤を控えることなど、感染拡大を防止する上で適切な行動を徹底するための研修を行っていること。

 

㉟利用者の感染判明時

➡保健所が行う積極的疫学調査の結果、感染者が当該施設を利用していたことが判明した場合、保健所の助言・指示等に誠実かつ積極的に対応・協力して、当該施設を媒介とした感染拡大を防止する対策を講じるとともに、必要に応じ感染の可能性のある営業日など感染拡大防止のための情報を公表すること。

 

㊱感染防止宣言ステッカー

感染防止宣言ステッカーを導入していること。

➡国が提供する濃厚接触通知アプリの利用について、掲示物による周知や従業員による呼びかけをしていること。

大阪コロナ追跡システムQRコードを掲示していること。

 

 

6 まとめ

 

認証基準が多く、私自身も驚きましたが、内容に関してはコロナ渦となって1年半経った今、当然のように行われていることが大半を占めています。

6月18日現在で、1,671店舗から感染防止認証ゴールドステッカーの申請がされています。

 

前回お伝えした内容と重複しますが、感染防止認証ゴールドステッカーは以下のメリットがあります。

 

①感染症対策が府が認めるレベルで行えていて安心な店であることをPRできる

 ②将来的に府の優先的な支援を受けることができる可能性がある

③酒類の提供が可能となる

 

今後もメリットとなるような内容が、大阪府から追加で発表される可能性があります。

申請する手間はかかりますが、ぜひともご活用いただければと思います。

 

ゴールドステッカーの申請手順は以下をご参照ください。

感染防止認証ゴールドステッカーを新規申請する手順