緊急事態宣言解除後と飲食店認証制度
皆様こんにちは。HACCPコーディネーターの石田です。
気温もだんだん秋らしくなってきましたね!
政府は19都道府県に発令していた緊急事態宣言を令和3年9月30日をもって全面解除しました。
今回は自治体から要望がなく、まん延防止等重点措置への切り替えも行われませんでした。
解除後の感染再拡大を防ぐため、各知事の判断により飲食店への営業時間短縮要請など独自の感染対策や段階的な緩和策がとられています。
そんな中、やはり気になるのが飲食店への経過措置です。
ニュースや新聞にも当たり前のように登場している「認証店」「非認証店」等の仕組み、そしてこれまでの緊急事態宣言の経過を振り返っていきたいと思います。
目次
大阪では令和3年6月より「感染防止認証ゴールドステッカー」という認証制度を行っています。
「感染防止認証ゴールドステッカー」とはどのような仕組みでしょうか。
新型コロナウィルス感染症が長期化する中、感染拡大の抑制と社会経済活動の維持の両立をめざして、感染症に強い強靭な社会・経済の形成を図っていく必要があります。そこで飲食店等における感染防止対策のさらなる促進や、府民が安心して利用できる環境整備をしていくために、大阪府が創設したのが、感染防止認証制度「ゴールドステッカー」です。
43の認証基準が設定されており、事業者の申請に基づき審査を行った上で、大阪府よりゴールドステッカーが交付されます。
令和3年6月中旬より申請受付が始まり、3ヵ月経った今日では、街中でもゴールドステッカーを見かけることが多くなりました。行ったことのないお店に入るか迷った時であっても、ゴールドステッカーが掲示されていれば、
「あっ、ここのお店はしっかり感染対策が取られているんだな」
「安心なお店なんだな」
と、個人的にはゴールドステッカーが安心材料になり、入店同機に繋がっています。
大阪府では、令和3年10月1日現在、42,650件の申請を受け付けており、32,118件の認証が行われています。大阪府の飲食店は62,516軒とされていますから68.2%の飲食店舗がゴールドステッカーの申請を行っていることになります。
認証済店舗は大阪府HPに掲載されています。
この認証済店舗のファイルは417ページもあり、さすがにこのファイルで店舗を検索して見ようという気にはなりませんでしたが・・・・。
区ごとになっているとか、居酒屋・カフェなどジャンルごとになっているとか、検索してみやすく工夫してくれたら、もっと見るのにな・・というのが個人的意見です。
幾度となく緊急事態宣言が発令され、まん延防止重点措置になり・・といつから緊急事態宣言だったっけ?とわからなくなることもしばしばあります。
一度、緊急事態宣言の流れを確認しておこうと思います。
●期間
令和2年4月7日~5月21日
●対象
令和2年4月7日に東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を発令。令和2年4月16日に対象を全国に拡大
●解除
令和2年5月14日に北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫の8つの都道府県を除く39県で解除
令和2年5月21日に大阪・京都・兵庫の3府県で解除
令和2年5月25日には首都圏1都3県と北海道を解除し、1か月半ぶりに全国で解除となった
●飲食店
時短営業
●大規模商業施設
休業
●イベント
開催自粛
1回目の時は、パチンコ店に向けた営業自粛やライブハウスがかなり糾弾されていました。新型コロナウィルスという未知のウィルスに恐怖を感じ、今までの生活と一変してしまったことでストレスを抱える人が多くいたのではないでしょうか。私は、百貨店で勤務していたので、一斉休業してしまい、娘と毎日毎日一緒に過ごした思い出があります。世の中がこんな風になってしまうのか・・・という衝撃がありました。
●期間
令和3年1月14日~2月28日
●対象
栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡
●飲食店
時短営業で酒類提供は午後7時まで
●大規模商業施設
午後8時までの時短営業(協力依頼)
●イベント
5千人上限かつ収容率50%以内
2回目より飲食店の酒類提供が問題視され始めました。家族で食事に行っても、酒類提供が早い時間で終わってしまうので、お酒好きの夫がよく嘆いていました。
少しずつ、新型コロナウィルスに慣れ始めた頃でしたが、ワクチンもまだ出回っておらず、医療従事者への負担が大きい時期だったのではないでしょうか。
●期間
令和3年4月25日~6月20日
●対象
東京、大阪、京都、兵庫
●飲食店
酒類提供なしで午後8時までの時短営業
●大規模商業施設
休業
●イベント
無観客開催
最近のことなのに、あまり思い出せないのは私だけでしょうか。
感染拡大に伴い、イベントは無観客開催となりました。プロ野球の試合が緊急事態宣言の都府県では無観客だったため、選手の声やボールがバットに当たる音が良く聞こえていたなぁと思い出されます。
●期間
令和3年8月2日~9月30日(大阪)
●対象
北海道、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、広島、福岡、沖縄
●飲食店
酒類提供なしで午後8時までの時短営業
●大規模商業施設
午後8時までの時短営業
●イベント
5千人上限かつ収容率50%以内
長かった緊急事態宣言がやっと解除されました。
沖縄県は令和3年5月から、東京都は令和3年7月から緊急事態宣言下にありました。全国で緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も発令されていない状況は半年ぶりです。
令和3年5,6月頃より高齢者中心にワクチンの接種が進んできた結果、感染者数は完全に下がりきらずとも、死者数や重症者数を減らすことができてきたと多く報道されています。
菅首相も「新型コロナとの闘いは新たな段階を迎える」と言及しています。
では緊急事態宣言が解除されるとどう変わるのでしょうか。
全国でおよそ半年ぶりに何も発令されていない状態になるのが、嬉しい反面、本当に大丈夫なのかと不安に思われる方も多いと思います。私自身も、まだまだ不安です。
宣言解除後の措置についてみていきたいと思います。
【飲食店】
●営業時間:
認証店で午後9時まで。非認証店は午後8時まで
●酒類提供
各知事が条件を判断
●イベント
「定員の50%」かつ「1万人」を上限
●外出・移動
・混雑を回避し少人数で行動
・県をまたぐ移動では基本的な感染対策を要請、検査推奨
・テレワークの推進
・高校・大学入試は感染対策などを前提に予定通り実施
としています。全面解除に伴い飲食店に対し、時短営業の命令や過料を適用できなくなってしまいます。
しかし、新型コロナの特別措置法があることで、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ていなくても知事が感染対策のために必要な協力を事業者などに要請できるようになっています。
都道府県が上記の宣言解除後緩和策の範囲内で判断をすることができます。
関西の飲食店に対する緩和策は以下の通りです。
【大阪】
●酒類提供:認証店で午後8時半まで。非認証店で自粛
●地域:全域
●利用人数:1組4人以内
【兵庫】
●酒類提供:認証店で午後8時半まで。非認証店で自粛(条件付きで午後7時半まで)
●地域:全域
●利用人数:1組4人以内
【京都】
●酒類提供:認証店で午後8時半まで。非認証店は午後7時半まで
●地域:京都市、宇治市など16市町村
●利用人数、時間制限:1組4人以内、時間は2時間
【滋賀】
●酒類提供:認証店、非認証店制限なし
●地域:全域
●利用人数:制限なし
近隣の自治体によっても対応が様々となっています。
大阪では「感染防止認証ゴールドステッカー」という認証制度を設けていますが、滋賀では「みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度」という制度だったりと、全国で様々な認証制度や基準が設けられています。
もちろん、地域特性などもありますし、一元化することが難しいのは承知できますが、全国展開する飲食企業などは自治体に合わせた申請が複雑で、とても大変なのではと思いました。
ひとまず、緊急事態宣言が解除されたので、近しい人達とご飯を食べに行くのが楽しみですね。感染症対策をとりつつ、世の中が正常化されていくことを祈りたいと思います。
find a way 法律事務所
HACCPコーディネーター 石田 香玲