牛肉の豆知識
皆様こんにちは。
HACCPコーディネーター・食生活アドバイザーの石田です。
寒い日が続きますね!
私はお肉大好きです。
「焼き肉食べたい~」というわけで、牛肉の豆知識をご紹介していきたいと思います。
目次
誰が興味あんねん。とつっこまれそうですが、私のイチ押し部位は正肉の中では、肩ロースです。すき焼きにして卵をたっぷり
つけて白いご飯をバウンドしてから食べる!
至福とはこのことです。
それから牛スジがとても大好きです。スーパーで見かけたら、思わず買ってしまいます。
牛スジは長い時間(5~6時間でしょうか)ことこと煮込んで、プルプルにしてから、白味噌と合わせてどて焼きにしたり、大根と煮て、牛スジ大根にすることが多いです。
内臓系だと、ミノやテッチャンには目がありません。
焼き肉に行ったら必ず頼んでしまいます。
ホルモンって焼けているかわかりづらいですよね?私の夫はお肉の焼き加減に関してかなりのこだわりを持っているので、家族で焼き肉に行く際は、いつも夫任せです。
「こっちが表で、裏はささっと炙って・・」など部位によって決まった焼き方があるようですが、いつまでたっても私は覚えられずにいます。
逆に苦手な部位はハチノスやマメなど特有の香りがある部位です。不思議とレバーは大丈夫なんですが。
友達や家族と焼き肉に行く際など、この記事を参考にしていただければ幸いです。
国産牛と聞くと、どんなことをイメージしますか?
日本で育った牛だろうと思いますよね。
では和牛と聞くと、どうでしょう?
???国産牛とどう違うの?となります。。
実は、「国産牛」と「和牛」には以下の通り、大きな違いがあります。
●「国産牛」
品種や生まれた土地に関係なく、生まれてから出荷までの間、最も長く日本で飼育された牛のことを指します。
例えば、外国で産まれ2年経ってから日本に輸入され、その後4年生育された牛は「国産牛」として販売されるというわけです。
●「和牛」
和牛というのは呼称のようなもので、以下の4種間での交雑により生まれた牛のことを指します。
①黒毛和種
②褐毛和種
③日本短角種
④無角和種
日本で、「和牛」として出回っている約98%は黒毛和種です。
但馬牛や神戸ビーフ、特選松坂牛などの有名ブランドも黒毛和種です。
和牛の特徴は、皆様ご存じの通り、きめが細かく、肉質が柔らかいことです。
脂肪は少しクリーム色で、脂肪含量が高く、霜降り状に分散しています。
ちなみに、和牛というのは品種の呼称であるため、加工食品の原産地表示の代わりにはなりません。
食品表示に関してはこちらの記事をご参考ください。
知っているようで知らないお肉の部位。
牛肉の部位は「食肉小売品質基準」によって11部位に分けられていますが、焼肉店ではさらに細かく分類した、希少部位を
味わう楽しみがあります。
※「食肉小売品質基準」とは、消費者が食肉小売店で牛肉や豚肉を購入するにあたって、適正な商品選択が出来るようにするために農林水産省が食肉小売業界に対する指導行政の一環として定めた基準です。
まずは正肉と言われる部分のご紹介です。
(1)ネック:首にあるお肉
肉質は硬いですが、肉の味は濃厚でおいしくエキス分も豊富です。
ひき肉や煮込み料理に最適です。コンビーフに加工されることも多いです。
(2)肩:腕の部位
肩ロースを覆うように位置しています。脂肪分が少なく、硬めですが、肉の味は濃厚でエキス分やコラーゲン・うまみ成分が豊富に含まれています。
煮込み料理やシチューなどの料理に使用されます。
(3)トンビ:肩から腕にかかる部位
肩甲骨付近にある赤身肉で淡白な味わいながらうま味が強いです。
一頭から2キロしか取れない希少部位です。ローストビーフやタタキに使用されます。
別名「トウガラシ」と言われることもあります。
(4)肩ロース:最も大きな部位の一つ
脂肪が程よく霜降り状に分散していて、ロース特有の厚みのあるうまさを味わえます。薄切りにして使うとさらにうま味が
引き出せます。すき焼きに使用されます。
(5)リブロース:ロースの真ん中の最も厚い部分
脂肪が多く霜降りになりやすく見栄えも良いです。肉質はきめ細かくて柔らかく、ステーキやすき焼きに使用されます。
(6)サーロイン:腰の上部の柔らかい肉
きめが細かく脂の上質なうま味をともなった牛の最高部位のひとつです。ステーキとしてよく使用され、1センチ以上の厚切りにして焼くと肉汁が逃げません。
(7)ヒレ:サーロインの内側にある細長い部分
最も柔らかい肉質できめが細かく脂肪・筋がほとんどありません。大きな牛でもわずかにしか取れません。
しっとりとした肉質からはうま味が溢れます。ステーキやローストビーフにおすすめです。
(8)うちもも:内またにあたる部分
牛肉の中では、脂肪が少なくヘルシーな赤身肉です。
他の部位に比べると水分量が多く、ローストビーフや煮込み料理に使われます。
(9)そともも:ももの外側の部分
きめが粗く、しっかりとした食感の赤身肉です。「ナカニク」「シキンボウ」に小分けされます。
角切りにしてシチューなどによく使用されます。
(10)バラ:繊維質や筋膜が多い
肉質はきめが粗く硬めで赤身と脂肪が層になっており、濃厚な風味が味わえます。煮込み料理から焼き肉、すき焼きまで幅広く
使用できます。
(11)しんたま:牛のもも
きめが細かく柔らかで脂肪が少ない部位です。ローストビーフや煮込み料理、シチューやスープに適しています。
(12)テール:牛のしっぽの部分
コラーゲンが豊富。テールスープに使用される部位で、よく煮込んで脊髄の部分がゼラチン状になるととても味わい深い風味に
なります。
(13)カルビ:お腹の部分
カルビは韓国語で「あばら骨の肉」の意味があります。少し硬いですが、うま味がありとても人気の部位です。
(14)イチボ:お尻の先
弾力のある赤身部位です。先の柔らかい部分はステーキや焼き肉などに使い、それ以外の硬い部分は煮込み料理やシチューに
適しています。
(15)スネ:足の部分
脂肪がほとんどなく、筋が多い部位です。ゼラチン質を多く含んでいるので、だしを取るのに最適です。
じっくりことこと煮込むと、コラーゲンが溶出してプルプルになります。
ちなみに牛スネはふくらはぎにあるお肉で、牛スジはアキレス腱の部分なのでまた別物です。
牛スジの方がよりコラーゲンを含んでいます。
「ホルモン」は牛や豚の「腸」を指しますが、近年では、内臓部位をまとめて「ホルモン」と一般的に呼ばれています。
(1)タン:舌
タンはとても有名ですね。弾力があり、シャクシャクとした歯ごたえの肉質で、上品な甘みがあります。
塩味で食べることに定評があります。
根元にいくほど柔らかく、舌先になると硬くなります。
(2)ホホ肉:頬の部分
運動量が多いため硬い肉質の赤身肉です。ゼラチン質を多く含んでおり、強いうま味が特徴です。
「ツラミ」とも呼ばれています。
(3)レバー:肝臓
なめらかな歯ざわりが特徴です。特有の濃厚なコクと甘みを感じられます。好き嫌いが分かれる部位でもあります。
火を通しすぎるとパサパサになるので注意が必要です。
ビタミンB12や葉酸が豊富です。
(4)サガリ:横隔膜
ハラミと同じく横隔膜の一部です。ハラミとほとんど同じ見た目をしていますが、脂が少なくあっさりとしています。
(5)マメ:腎臓
香りに独特のクセがありますが、味は淡白で食感はコリッとしています。脂肪が少なく、ビタミンB1,B2を豊富に含んで
います。
(6)ミノ:第一胃
胃の4部位のうちのひとつです。肉厚で引き締まった肉質が特徴です。コリコリとした歯ごたえのある食感がクセになります。
(7)ミノサンド:第一胃
ミノの中でも濃厚な脂を含んだ厚みのある部分です。
(8)ハチノス:第二胃
蜂の巣に似ている形状からこの名前がつけられました。胃の部位の中ではあっさりとして、独特の食感と噛むほどにうま味がまします。煮込み料理に使用されます。
(9)センマイ:第三胃
ヒダが何層にも重なった形をしており、シコシコとした食感が特徴です。脂肪が少なく、クセも少ないあっさりとした味わいです。コアなファンが多い部位です。
(10)ギアラ:第四胃
脂を多く含み、他の胃の部位と比べると薄く噛み切りやすい食感です。別名「アカセンマイ」と呼ばれます。
(11)ハツ:心臓
ココロ、シンゾウ、ハート、ヘルツなどとも呼ばれます。肉厚で脂肪がないのが特徴です。筋繊維が細かいのでコリコリとした
歯ざわりなので、薄く切って焼くのが一般的です。
(12)ハラミ:横隔膜
赤身肉に近い肉質と風味で、人気の部位です。正肉と思われている人も多いのではないでしょうか。下味をつけて焼肉にすると
おいしくいただけます。
(13)ショウチョウ:小腸
ぷるぷるとした脂身と噛み応えのある筋肉を同時に楽しめる部位です。「コブチャン」「コテッチャン」とも呼ばれます。
(14)シマチョウ:大腸
ホルモンの代表的な存在です。脂がたっぷりで、コシのある歯応えです。「マルチョウ」や「テッチャン」と呼ばれ、人気のある部位です。
牛肉の生肉や内臓には、食中毒の一因となる細菌「腸管出血性大腸菌」「サルモネラ」「カンピロバクター」が付着している
可能性があります。
以前のコラムでもご紹介しましたが、厚生労働省は牛の肝臓に関する新たな基準を設定し、平成24年7月1日から牛の肝臓
(レバー)を生食用として販売・提供することを禁止しています。
牛肉に食中毒細菌が付着しているかは、目視やにおいでは分かりません。
そのため、牛肉を食べる際は以下の点を注意しましょう。
①新鮮な肉を用意しましょう。
②細菌は加熱により死滅・減少します。
中心部までしっかりと火を通して食べるようにしましょう。
③箸やトングなどの器具を通して細菌が口に入ることもあります。
肉を焼く用の箸と食べる用の箸は使い分けするようにしましょう。
④生レバーは飲食店では提供を禁止されています。
食中毒のリスクがあるため、提供されていたとしても食べないようにしましょう。
今回は牛肉の豆知識をご紹介しました。
何気に知っているようで知らない牛肉の部位。
ついつい、いつも食べている部位を頼んでしまいがちですが、新しい部位に挑戦してみてはいかがですか?
私は次回、ツラミに挑戦してみようと思います。
HACCPコーディネーター・食生活アドバイザー
find a way 法律事務所 石田 香玲