大阪府 予防接種を踏まえた「出口戦略」の概要について
皆様こんにちは。HACCPコーディネーターの石田です。
7月に入り、プロ野球も前半戦を折り返しました。阪神タイガースは苦しい戦いが続いていますが、後半盛り返してくれることを信じて応援を続けていきたいと思います!
東京2020オリンピックも7月23日開幕に迫ってきましたね。
皆様ご存じの通り、東京都・沖縄県では緊急事態宣言が発令され、埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府ではまん延防止等重点措置下にあります。
何度も緊急事態宣言が出され、感染者数や重症病床率が安定したところで、まん延防止等重点措置に移行してもまた感染者数が急増して、緊急事態宣言になるというサイクルから中々逃れられずにいます。ワクチン予防接種も進みはじめたかと思えば供給停止になりました。
「遠くに住む家族に気兼ねなく会いにいきたい」
「いつになったら友人とワイワイ食事ができるんだろう」
「在宅勤務ばかりで人との関わりがなくてもううんざりだ」
いつになったら、コロナ禍の出口は見えてくるのでしょうか。
本日は、6月30日に発表された大阪府のワクチン接種を踏まえた「出口戦略」についてご案内をしていきたいと思います。
目次
大阪府は、新型コロナウィルスのワクチン接種の進捗に合わせ、飲食店への営業時間短縮要請などを段階的に緩和するロードマップの(行程表)の原案を発表しました。
原案の内容は以下の通りです。
・ワクチン接種を終えた人数の進捗を3つに分類する。
・2回目の接種を終えた人数が約350~450万人(府民全体の約40~50%)に達するまでを「ステージA」とする。
・2回目の接種を終えた人数が約550~650万人(同約60~70%)に達するまでを
「ステージB」とする。
・それ以上を「ステージC」とする。
・各ステージごとに飲食店への要請など感染症対策を4つのレベルで区切っていく。
・飲食店対策ではレベル4~3:酒・カラオケ提供の自粛、時短要請、レベル2:時短要請か解除、酒・カラオケ提供の自粛の場合あり、レベル1:基本的な感染対策とする。
大阪府が発表している各レベルの数値目安が以下の通りです。
「レベル4」
接種を2回終えた人が、約350万~450万人(府民の40~50%):ステージA以下で、重症病床使用数が125人以上を目安に、最も厳しい「レベル4」と設定。飲食店での酒類の提供自粛や時短を継続する。
「レベル3」
接種を2回終えた人が約350万人~450万人(府民の40~50%):重症病床使用数が50~125人が目安で、一部の制限を緩和する。イベントには観客が入れるようにする。
「レベル2」
飲食店に対する時短要請の解除を検討。
「レベル1」
接種を2回終えた人が約650万人以上(府民の70%以上):集団免疫を獲得しているとする。重症病床使用数50人以下を目安に、マスク着用など基本的な感染防止対策をしながら、日常生活に戻る。
大阪府では、6月21日からまん延防止等重点措置に移行したものの、府内の飲食店への時短要請は続き、酒類提供には、「ゴールドステッカーの申請」「同一グループ4人まで」など厳しい条件も出ています。
飲食店への要請を緩和、廃止して、早く通常の生活に戻りたいと大多数の人が願う中、今後の見通してして示されたロードマップは数値目安や私たち市民が今後何をすべきかということが誰の目にもわかりやすい指標だと個人的には感じました。
府内でワクチン接種を2回受けた人は6月29日時点で医療従事者を含めると約73万人(うち高齢者が44万人)だそうです。大阪府民は8,798,545人(令和3年6月1日現在)なので、現在8.3%程度の人のみの接種状況となります。
府は11月末時点で府民全体の70%の接種完了(残り542万人以上という計算になります)を目指すと言っていますから、ワクチン接種のスピード感をかなりあげていかなければなりません。
・・・とはいうものの、国からの新型コロナワクチンの供給量の見通しが立っていないことが原因で、大阪市が市内の医療機関に対して「供給量を減らす」通知がロードマップを発表した同6月30日出ていることがわかりました。
大阪府の問題だけではありませんが、今後のロードマップを策定していく上でもワクチンの供給量の確保ということがとても大きな課題になることは言わずもがなです。
新型コロナウィルスのワクチン接種をめぐり、一部の自治体で7月の新規予約受け付けをめぐり、一部の自治体で7月の新規予約受け付けを停止・制限する動きが相次いでいます。
インテックス大阪やマイドーム大阪で行われている大規模予防接種会場の予約を取ろうとしても、アクセスが集中して予約ページが中々開かず、ページが開いた頃には全て満席になっていて予約を取ることはできませんでした。
大阪府だけでなく、山形市は6月25日から1回目の接種の予約を全面停止していますし、兵庫県丹波市も、国から供給されるワクチン量が見通せず、7月12日から開始予定の64歳以下の予約を見合わせています。
影響は自治体が実施する集団接種や大規模接種にも及んでおり、神戸市は接種の加速を目指し、集団接種会場を増やしているものの、ワクチン確保のメドが立っていない状況です。
府は感染状況に応じた対策を求める独自基準「大阪モデル」をすでに設けていますが、ロードマップでは中長期的な方針のようです。
大阪府は7月15日、感染症や経済学の専門家を交え、「出口戦略」会議の第2回会合を開きました。
対策の出口を示すことへの評価は得られたものの、「ロードマップ」の試案には意見が相次ぎました。
・「ワクチンの接種人数に応じて対策を緩和することは接種をしていない人へのプレッシャーが強くなり、社会の分断を生んでしまうのでは」
大阪大・大竹文雄 特任教授
・「新しい感染症で変異株という不確定要素がある。世界中でよくわかっていない。(基準を)柔軟に変更するつもりで設定する必要がある」
大阪大院・忽那賢志 教授
・「個人の有用性はあるが、変異株の出現や社会構造によって集団免疫の達成が可能かどうかは不明。ワクチンの接種率のみで評価するのはエビデンスに乏しい」
朝野和典座長
大阪府は専門家の意見を踏まえ、「出口戦略」としてのロードマップを7月末までに取りまとめを目指すといっています。
私個人の意見としては、今後大阪府が目指すべき方向性を示してもらえることはありがたいことだと感じます。
ただ、一方でワクチンの接種を安定してまず供給できないことには、出口戦略のスタートラインに立てないのでは・・・と提示されている内容と現実に大きくギャップを感じるのが正直なところです。
find a way 法律事務所
HACCPコーディネーター 石田 香玲