【第2弾】 緊急企画 松尾弁護士 入所記念対談
令和4年4月25日、新進気鋭の若手弁護士松尾雅史がfind a way 法律事務所のメンバーに加わった。
緊急企画として、松尾弁護士と代表を務める荒武宏明弁護士との対談をお届けする。
第2弾では、松尾弁護士の仕事への取組み、弁護士として描く将来像などに迫る。
~第1弾の続き
- 弁護士の仕事で特に楽しいと感じることはどんなことですか?
松尾 : 法律相談の時点で楽しいですね。ワクワクします。新しい事件に出会う期待とか事案が明らかになっていく過程が。
荒武 : おお、ポジティブですね。
松尾 : ハードな現場に出向くのも楽しいです。刺激の乏しい生活を送ってきたので、とても新鮮に感じます。
荒武 : 確かに、怒鳴られるようなハードな現場も立て続けにありましたよね…。
松尾 : ああいう現場を経験できてほんとによかったです。
荒武 : そうやってポジティブに受け止められるのはすごいですね。犯罪行為を自白させるという緊迫した場面もありましたね。
松尾 : そういう仕事もできないといけませんね。
- ハードな現場を怖いとは思わないのですか?
松尾 : もちろん、怖いと思うんですけど、怖いことがあまりストレスじゃないんですよね(笑)。自分には慣れることがとても必要だと思っているんで。
荒武 : まあ、よほどのことがない限り、殴られることはないだろうというのがありますよね。
松尾 : そうですね(笑)、そうはならないと思ってますね。
荒武 : 既に尋問も経験しましたし、(尋問をするのは)同期では一番乗りではないですか。
松尾 : 多分、そうでしょうね。尋問は緊張しましたけど、やっぱり弁護士の醍醐味ですね。あと、解決した事件の感想戦をしてる時も楽しいですね。
荒武 : 感想戦?
松尾 : 法律相談とか裁判期日の後に、事件の見立てや法律上の争点について議論することです。
荒武 : ああ、それ、感想戦っていうんですね。
松尾 : はい、将棋などで使う言葉ですね。
荒武 : 確かに、法律上の論点についてあれこれ話すのは楽しいですよね。
- では、弁護士の仕事で特に難しいと感じることはどんなことですか?
松尾 : 初めて経験することは全て難しく感じます。でも、新しい挑戦をすること自体は楽しいです。
荒武 : やっぱり、色々とポジティブに受け止められるのは松尾さんの良いところですね。
松尾 : ありがとうございます。
荒武 : 法律から結論を導くのは、実はそれほど難しくないんですよね。僕は、クライアントが次にとる行動を決めることが一番難しくて、それこそ弁護士がやるべき仕事だと思います。
- 仕事で心がけていることはあるんですか?
松尾 : 親身にお話を聴くことですね。話をしっかり聴くというのは、弁護士の経験値にかかわらず、今でもできることですからね。
荒武 : 大事なことですね。
松尾 : 人として当たり前のことではありますが、決めつけない、軽く見ない、拒絶しないという3点を特に大事にしたいと思っています。
荒武 : 相談者の中には、一から全部説明してくださる方もいますよね。法的にはあまり関係がない情報が多く、本題になかなか進まないこともよくあります。
松尾 : そうですね。法的にはあまり関係がないとは気付きますが、時間の都合などで、遮る必要がなければ、全部聴きますね。
荒武 : 何が重要な情報かは、結局、後になってみないとわからないですからね。
松尾 : そうですね、後になって「そんなことは聞いてなかった」という情報が出てくると困りますからね。
荒武 : そういうことは結構あります。あと、我々は毎日のように法律相談を受けていますが、クライアントからすれば、一生に一回の大問題を思い切って専門家に相談しているわけですから、それを忘れてはいけないですね。
- 関心のある法律分野はありますか?
松尾 : 消費者問題、不動産に関する紛争、債権回収等です。
荒武 : その理由は?
松尾 : 消費者問題は何か琴線に触れるものがあるんです。特に、詐欺などは、これは捨て置けんと思うんですよね。
荒武 : 大学時代に被害者の話を聞いたというのが関係しているのですか。
松尾 : それはありますね。何というか、詐欺というのは、僕が大事に取り組んできた法律というものを盾にとって、それを悪用しているように思えるんですよ。
荒武 : なるほど。
松尾 : 正々堂々としていないというところで、正義に反すると思うんですよね。
荒武 : うちの事務所も、消費者契約法だとか特商法(特定商取引法)に関するご相談は多いですよね。事業者側のほうが多いですが。
松尾 : はい、事業者側も誤解されることがありますからね。トラブルにならないような契約書や利用規約の作成等、事業者側に立った予防法務にも携わっていきたいです。
荒武 : 事業者の適正な利益は確保しないといけませんからね。
松尾 : そうですよね。事業を立ち上げる時に最初から弁護士が関与できたらと思いますね。
荒武 : ここのところ、「こういうビジネスをしたいんだけど、何か法的な問題はないか」というご相談が続いてますよね。この手の相談は、あらゆる法律にアンテナを張り巡らせて検討しないといけないので、難しいんですよ。
松尾 : それは感じました。全ての法律をクリアしていますと確信に至ることはないですよね。
荒武 : うん、ある程度でクライアントの背中を押すことになりますね。
- 法律以外で関心のあることはどんなことですか?
松尾 : 大阪の行く末とかですね。
荒武 : スケールが大きい(笑)。いきなりそんな答えでますか(笑)。
松尾 : 東京から帰ってきて気になりますね。最近、大阪市内で色々な計画が出てるじゃないですか。面白さを感じるんですけど、景観が変わるなあと思いますね。
荒武 : 大阪出身者として、失いたくない景色があるということですか。
松尾 : そうですね。まあ、最終的には民意に従っていくしかないんですけど。あと、スポーツを始めたいですね。ずっと言ってるだけですけど(笑)。
荒武 : 確かに、ずっと言ってる割に一向に何もしないですね(笑)。例えば何ですか?
松尾 : ボルダリングとか興味あります。
荒武 : 一人でもできますし、すぐ始められますね。
- 休みの日はどのように過ごしているんですか?
松尾 : 特に予定がなければ一人でブラブラ散歩することが多いです。大阪の古い町並みを再発見したり、いい感じの喫茶店に入ってお茶したりとかですね。7,8kmぐらい歩きます。
荒武 : 暇なんですか(笑)。梅田から難波くらいの距離ですか?
松尾 : それくらいだと思います。今しかできない贅沢な時間の使い方だと思います。あと、古本市とか骨董市によく行きます。
- 松尾弁護士は、どのような弁護士になっていきたいですか?
松尾 : 常に例外を模索することができる弁護士です。ありきたりの結論を疑い、抵抗し、足掻き続ける弁護士になっていきたいです。
荒武 : 言葉のチョイスが重たいですが、非常に大事な視点ですね。原則だけ説明して終わってたら、あまり役に立ってないですよね。
松尾 : そうですね。抵抗しないと面白くなくなってしまいますから。こういう態度でいないと、弁護士としての味がなくなってしまうと思います。
荒武 : 先ほども話題に出ましたが、うちの事務所は、新規事業の適法性チェックを相談されることが多いですよね。その時に、「リスクがあるからやめておきましょう」と言っていては、イノベーションは起こせないんですよ。クライアントがやりたいことを実現する方法をひねり出す、必要であれば法律を変えるという執念が大事だと思います。
松尾 : そうですね。もちろん、被害者が出たりしてはいけませんけど。
荒武 : 誰かに迷惑がかかっていないかというのはよく考えないといけませんね。究極は、リーガルマインドで利益衡量するということなんでしょうね。
- 松尾弁護士はどのような人生を歩んでいきたいですか?
松尾 : 誰かと何かを分かち合う人生ですね。自分一人で完結する世界観は十分に楽しみ尽くしました。これからはもっと他者と共有可能な領域を増やしていきたいです。
荒武 : いいですね、松尾さんは発想が独特なので、それを面白がってくれるニッチな領域の方はいると思います。ニッチと言うと失礼ですかね(笑)。ニッチなのは僕も同じですが。
- 松尾弁護士は「誰かと共有する」という表現をよく使いますよね。
松尾 : 司法試験を受けて強まっていきましたね。自分一人で生きているわけではないと思い知らされています。司法修習でも色々な人にとても良くしてもらったので。
荒武 : 導かれているんですね。
いかがだっただろうか。
捉えどころのない独特の感性と、正義を実現するための信念を持ち合わせる松尾雅史弁護士。
find a way 法律事務所に新たな視点をもたらすことを確信している。