飲食店舗の新型コロナワクチン優先接種について - 大阪市で労使、飲食、M&Aに関する相談は「findaway法律事務所」へ

 

飲食店舗の新型コロナワクチン優先接種について


 

皆様こんにちは。HACCPコーディネーターの石田です。

 

令和2年8月まで、私は飲食店に勤務していました。

飲食店で勤務していて感じたのは、コロナウィルスに感染するリスクの高さです。

 

飲食店ですから、当然にお客様はマスクを外し、飲食されます。

飛沫感染やエアロゾル感染のリスクは常に付きまといます。

また、お客様が飲食された後のお皿や、口を拭われたであろう紙ナプキン、飛沫がとんでいるであろうテーブルや、椅子・・・

 

私個人の感想ですが、こんな状況で感染しないとは言い切れない・・。

マスクをしていても、手袋をしていても、目に見えないウィルスを100%予防することは難しいということです。

 

感染リスクが高いことに加えて、酒類提供自粛や営業時短要請は継続して行われており、飲食店は経済的にも苦境に立たされています。

個人的にこんな高いリスクの中、お仕事されている飲食店に対し、支援金以外に優先的なワクチン接種や優遇措置が取られてしかるべきだと考えています。

 

本日は、飲食店に対し一部企業や地方自治体で行われているサービスや取り組みをご紹介します。

 

1 ビール酒造組合取引のある飲食店や酒の販売店の従業員に向けた職域接種

 

ビール酒造組合、およびその会員であるビールメーカー5社(アサヒビール株式会社・キリンビール株式会社・サッポロビール株式会社・サントリービール株式会社・オリオンビール株式会社)は令和3年7月13日、飲食店や酒販店の従業員4万7千人に職域接種を行うと発表しました。

 

対象になるのは、飲食店(酒類を提供する店舗)、酒販店(飲食店に酒類を納入している店舗)で働く18歳以上の従事者4万7千人です。

 

従事者の雇用形態は正社員のみならず、アルバイト、パートタイマーも含まれます。

 

会場は東京と大阪の2か所です。

 

*残念ながら1回目接種は8月18日に終了しています。

 

ビール酒造組合職域接種

 

本来であれば国が救済措置を講ずべきとは思いますが、大手5社が共同し、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、深刻な影響下にある飲食店及び、飲食店に酒類を納入している酒販店の従事者を助ける、素晴らしい取り組みだと思います。

 

 

 

 

2 ぐるなび「余剰ワクチンマッチングシステム」

 

株式会社ぐるなびは、企業・団体の職域接種等でキャンセル等の理由により余剰となったワクチンを飲食店従業員へつなぐ「余剰ワクチンマッチングシステム」を提供しています。

 

「余剰ワクチンマッチングシステム」はぐるなび独自のシステムで、職域接種を実施する企業・団体等と、ワクチン接種を希望する飲食店従業員が事前に情報を登録します。

企業・団体等で、予約のキャンセルなどがあった場合にその情報が飲食店従業員に一括でメール配信され、双方のマッチングにつなげるという仕組みです。

 

ぐるなび株式会社は「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義(PUREPOSE)のもと、事業を推進しています。ワクチン接種を通じて、飲食店従業員が安心してお客様を受け入れられる環境整備を推進されていてとても素晴らしい取り組みだと思いました。

 

 

 

 

3 新宿区飲食店にお勤めの方へのワクチン接種

 

新宿区では、「新宿区内の飲食店にお勤めの方」に優先的にワクチン接種を実施する取り組みが令和3年9月6日より始まっています。

接種の条件は以下の通りです。

 

・新宿区内の飲食店(食品衛生法に基づき飲食店の営業許可を受けているお店)にお勤めの18歳以上の方

(アルバイトの方を含みます)

 

・住民登録のある自治体が発行したワクチンのクーポン券(接種券)をお持ちの方

 

・まだ一回もワクチンを接種していない方

 

 

なお、新宿区にお住まいでなくても接種が可能となっています。

ワクチンの供給スケジュールの関係で、予約システム自体はスタートしていませんが、ワクチン接種が始まれば、飲食店従事者にとってありがたい機会になるのではないでしょうか。

 

新宿区内の飲食店にお勤めの方のワクチン接種

 

 

 

 

4 東京都コロナ対策リーダーへのワクチン優先接種

 

コロナ対策リーダーとは、東京都の感染防止マナーを促す取り組みの中で、飲食店舗において、旗振り役となるリーダーのことです。

*店舗ごとに店長やマネージャーなどの責任者を「コロナ対策リーダー」に選任し登録します。登録したコロナ対策リーダーは東京iCDC監修のe-ラーニング研修を受講し、修了シールが東京都より発行されます。

 

東京都では、令和3年6月25日(金)から柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、獣医師、2020東京オリンピック大会関係者に加え、点検済店舗のコロナ対策リーダーに対して、優先的にワクチン接種を実施しています。

 

 

コロナ対策リーダーという限られた人のみが対象にはなりますが、感染症対策を取り入れて点検済証を獲得した甲斐が感じられますね。

 

 

 

 

5 大阪市 飲食店「スマホ検査センター」

 

大阪府では現在のところ、飲食店従業員に向けたワクチン接種などの仕組みはありませんが、飲食店に向けたスマホ検査センターを行っています。

 

「スマホ検査センター」は飲食店におけるクラスターの発生防止と感染拡大の最小化を確保するための仕組みです。

飲食店の代表者及び従業員に少しでも症状が出た場合に、インターネットから検査を申し仕込み、迅速に検査が受けられる体制となっています。

 

 

飲食店「スマホ検査センター」における検査申し込みマニュアル

 

 

 

 

6 まとめ

 

私は外食が大好きです。

 

とても個人的な話ですが、4歳の娘を持つ主婦として毎日ご飯を作っています。

月曜から金曜までご飯を作ると大したものを作っていなくとも週末はご飯を作る気持ちになれません。

 

「今週の週末はあそこの焼き鳥食べに行きたいな」

「●●の串カツも久しぶりにいいな」

と、大好きなお店に食べに行くことも仕事や家事をがんばるモチベーションになっています。

 

新型コロナウィルスにいつ感染するかわからない、誰しも感染したくない…そんな中で、営業をいつも通りに続けて下さっている飲食店の皆様にとって少しでも有益な情報となりましたら幸いです。

 

 

find a way 法律事務所

HACCPコーディネーター  石田 香玲